ことりの小噺
Short Stories

日光の子供たち

 過日お休みを頂いて日光へ行ったときのことです。天気に恵まれ「いろは坂」からの景色は、さながら東山魁夷の世界でした。

 その日光から中禅寺湖へ向かう午後のバスには、ランドセル姿の小学生が何人か乗っていました。バスが停留所に停まるたびに一人二人と降りて行くのですが、皆、運転手さんに「ありがとうございました!」とお礼を言って行くのです。私たちは、思わず顔を見合わせました。都会で忘れ去られそうになっていることが、そこにはまだ生きていました。都会での生活は、心を開いていないことが何と多いことだろうと考えさせられました。最近では、お年寄りですらそうです。まず、自分から改めようと反省しました。子供たちに教えられた、旅の収穫です。